少年たちを乗せた汽車は、ひたすら闇のなかを疾ります…ケンタウリ祭の晩に汽車に乗ったジョヴァンナとカンパネッラ。大切な人を探す旅の途中で二人と同じ席に乗り合わせた賢治。賢治と少年たちの蒼白い銀河交流の行方は。

カムパネルラ、鐘の音を持つ君へ。
銀河を駆ける蠍よ、その炎で燃やしてしまえ。

電灯は消える。ただ一人、僕を残して。
空の幕は夜鷹の翼。青白く燃えて昼を誘う。

蜂雀の涙は白鳥の首を伝い、象の鼻へと落ちる。

烏瓜と林檎。三角標を見つめる子どもたち。
無垢な瞳に惑わされ、僕は再び夢を視る。

どこまでも、青い空を目指して飛ぼう。

玉髄の海の中で泳ぐ魚。
凍りついた、竜胆の光。
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