いしいしんじ

ぶらんこ乗り (新潮文庫)

ぶらんこが上手で、指を鳴らすのが得意な男の子。声を失い、でも動物と話ができる、つくり話の天才。もういない、わたしの弟。―天使みたいだった少年が、この世につかまろうと必死でのばしていた小さな手。残された古いノートには、痛いほどの真実が記されていた。ある雪の日、わたしの耳に、懐かしい音が響いて...。物語作家いしいしんじの誕生を告げる奇跡的に愛おしい第一長篇。

ぶらんこが上手で、指を鳴らすのが得意な男の子。声を失い、でも動物と話ができる、つくり話の天才。もういない、わたしの弟。―天使みたいだった少年が、この世につかまろうと必死でのばしていた小さな手。残された古いノートには、痛いほどの真実が記されていた。ある雪の日、わたしの耳に、懐かしい音が響いて...。物語作家いしいしんじの誕生を告げる奇跡的に愛おしい第一長篇。

彼は心に傷を負った。
人を信じきれなかった。

彼は天才だ。
面白い話を聞かせて、
滑稽な役を演じて、
人を元気づける。

でも、それは
ほんとうの彼じゃない。

臆病で、強がりで、
嘘ばかりついて。

だれよりも傷つきやすい、
繊細な人。
それこそがおどけてばかりいる、彼の本心だ。

親しい人にさえも、
心に鍵をかけて閉ざした。

独りぼっちになるのが、
こわいから。

ほんとうはみんなと一緒にいたいけど、
傷をつけてしまうのが嫌だから。

だから、君が生み出した生き物たちは、
こんなにも躍動感があって、愛しいんだ。

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※この曲を生み出した小説に、
感謝の気持ちを込めて。
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ぶらんこが上手で、指を鳴らすのが得意な男の子。声を失い、でも動物と話ができる、つくり話の天才。もういない、わたしの弟。―天使みたいだった少年が、この世につかまろうと必死でのばしていた小さな手。残された古いノートには、痛いほどの真実が記されていた。ある雪の日、わたしの耳に、懐かしい音が響いて...。物語作家いしいしんじの誕生を告げる奇跡的に愛おしい第一長篇。

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